地質学雑誌
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常磐地域の白亜系から新第三系と前弧盆堆積作用
安藤 寿男柳沢 幸夫小松原 純子
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2011 年 117 巻 Supplement 号 p. S49-S67

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抄録

東北日本太平洋岸の常磐地域は,白亜紀後期から新第三紀の前弧堆積盆西縁の河川−浅海−陸棚−大陸斜面相が比較的単純な構造で累重する地域である.古第三系中の石炭は常磐炭田として1970年代まで採鉱されていたため,この地域では詳細な地質図が作成されており,研究も蓄積されてきた.その後も微化石層序に基づいた年代層序が確立され,北西太平洋の新第三系層序の模式的地域の一つとなっている.本巡検では,上部白亜系双葉層群,古第三系白水層群,新第三系の湯長谷(ゆながや)・白土(しらど)・高久(たかく)・多賀・仙台層群の代表好露頭において,堆積相・堆積構造や化石相を観察し,それらの累重・層序関係を把握することで,常磐堆積盆における堆積作用や古生物相・古環境変遷を考察する.特に,多賀層群の海底チャネル群や,五浦海岸の高久層群中に発達する炭酸塩コンクリーションと化学合成群集は,太平洋岸の前弧堆積作用を特徴づけるものとして注目される.

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© 2011 日本地質学会
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