地質学雑誌
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総説
ローバによる火星地質調査計画
並木 則行小松 吾郎臼井 寛裕杉田 精司宮本 英昭久保田 孝石上 玄也出村 裕英岡田 達明三浦 弥生長勇 一郎後藤 和久千秋 博紀和田 浩二石橋 高荒井 朋子小林 正規大野 宗祐火星ローバ検討グループ
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2012 年 118 巻 10 号 p. 606-617

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抄録

将来火星着陸探査計画として,われわれは探査車(ローバ)による地質調査を提案している.米国,ロシア(旧ソ連),欧州による軌道上からの,あるいは複数の着陸点での観測から,火星は非常に多様性に富む天体であり,複雑な物理・化学過程が表層の地質に影響を与え続けてきたことが明らかとなっている.ローバを使った化学組成分析や同位体測定では火星隕石の収集とは異なり,地質現象の時間的変遷を追うことが出来るので,複雑性を解明することに役立つ.観察対象は堆積岩と火山岩に大別され,それぞれ異なる科学目標を有する.堆積岩調査は米欧の火星探査の流れに沿う方向であり,国際協調による科学成果の向上が期待できる.一方,火山岩調査は日本の独自性の高い選択である.現段階ではいずれの方向を選択すべきか決まっていないが,堆積岩調査にせよ火山岩調査にせよ,大型プロジェクトとして広範な地球科学者の評価と支持を得ることが必要である.

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© 2012 日本地質学会
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