地質学雑誌
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論説
2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震の地震断層と活動履歴
堤 浩之遠田 晋次
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2012 年 118 巻 9 号 p. 559-570

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抄録

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震(Mw 9.0)によって東北日本弧の応力場が大きく変化し,誘発地震が多発している.2011年4月11日の福島県浜通りの地震(Mw 6.6)は,これまでに発生した最大の内陸地殻内誘発地震である.この地震に伴って,従来推定活断層と認定されていた湯ノ岳断層や井戸沢断層の西側トレースに沿って明瞭な正断層型の地震断層が出現した.地震断層の長さはともに約15 kmであり,最大上下変位量は前者が約0.9 m,後者が約2.1 mである.井戸沢断層の西側トレースのトレンチ掘削調査では,ひとつ前の活動時期が12500〜17000年前と求められ,869年の貞観地震の際に活動した痕跡は見出せなかった.2011年4月の福島県浜通りの地震は,海溝型超巨大地震に誘発されて活動する内陸活断層が存在することを示すと共に,変位地形が不明瞭な推定活断層もそのような状況下で大地震を発生させ得ることを示した.

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© 2012 日本地質学会
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