抄録
新潟県糸魚川市中央部には,日本を代表する構造線の一つである糸魚川-静岡構造線が存在し,その西側には,西南日本を構成する地帯の構成岩が狭い範囲に分布する.その中の蓮華変成岩類と超苦鉄質岩からなる蓮華帯は,古生代に東アジアの大陸縁辺部の沈み込み帯で形成されたとされている.その後,飛騨変成岩類や飛騨花崗岩類などからなる大陸地域とペルム紀やジュラ紀付加体との間で生じた造構作用によって,蓮華帯は両者間に位置するようになり,その造構作用に伴って形成された地質体を保持している.これらの地質体を解析することは,上記の造構作用の実態を明らかにする上で重要である.●本コースでは,まず2015年3月にリニューアルしたフォッサマグナミュージアムで,見学コース全般の地質を把握する.次にヒスイ輝石岩や蓮華変成岩類の岩相と変形構造を観察し,蓮華帯の変形史を考える.また,それを不整合に覆う下部ジュラ系来馬層群下部の堆積相と凝灰岩層を観察し,蛇行河川堆積物の特徴と前期ジュラ紀の火成作用を確認する.さらにジルコンのU-Pb年代を基に再定義された陸成白亜系とそれに貫入する岩脈を観察し,飛騨帯の火成作用と白亜紀の地殻変動を考える.