地質学雑誌
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論説
沖縄県辺戸岬,上部三畳系今帰仁層の岩相層序とコノドントおよびアンモナイト化石年代
山下 大輔安田 知佳石橋 毅Rossana Martini尾上 哲治
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2016 年 122 巻 9 号 p. 477-493

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抄録

本研究では,沖縄本島最北端の辺戸岬に分布する上部三畳系今帰仁層の岩相層序とコノドントおよびアンモナイト化石年代を明らかにするとともに,堆積環境について検討した.本研究の結果,今帰仁層は主に放散虫や薄殻二枚貝を含むミクライト質石灰岩からなる下部層,砕屑性石灰岩が頻繁に挟まれる中部層,数層準にスランプ堆積物が挟まれる上部層に区分される.薄片観察の結果から,今帰仁層は大陸から遠く離れた大洋域の海山などの斜面において,ミクライト質石灰岩の堆積中に浅海域起源の砕屑性石灰岩がタービダイトやスランプ堆積物として流入して形成されたと考えられる.またコノドントとアンモナイトの化石年代より,辺戸岬に分布する今帰仁層の堆積年代は三畳紀後期のカーニアン前期からノーリアン中期と考えられる.

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© 2016 日本地質学会
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