地質学雑誌
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論説
美濃・丹波帯の上部三畳系珪質ミクライトの堆積場
佐野 弘好高野 敦史宮本 和輝尾上 哲治
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2017 年 123 巻 3 号 p. 163-178

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抄録

美濃帯西部のジュラ紀中期〜白亜紀最前期メランジュ中の九合石灰岩の産状,鏡下での特徴,年代を記載した.本石灰岩(層厚約80m)は最上部カーニアン〜下部ノーリアンの珪質ミクライトのみからなる.珪質ミクライトは放散虫と薄殻二枚貝で特徴づけられ,粗粒陸源砕屑物を欠く.これらの特徴は本石灰岩が大洋域の遠洋環境で堆積したことを示す.

九合石灰岩と美濃・丹波帯の上部三畳系珪質ミクライトとは同時代である.これらの珪質ミクライトは岩相的に類似するが,層状チャートを伴うか否かの点で相違する.さらに珪質ミクライトは大洋底相層状チャートと同時異相関係にある.前者は炭酸塩補償深度付近〜以浅,後者は以深の堆積物である.美濃・丹波帯の上部三畳系珪質ミクライトは,層状チャートが堆積した大洋域に形成された低平な玄武岩質マウンド上の炭酸塩補償深度付近ないし以浅で堆積したと考えた.

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© 2017 日本地質学会
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