地質学雑誌
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総説
熱水域掘削に基づく新しい熱水系描像と生命圏の限界:IODP 331次航海の成果
石橋 純一郎柳川 勝紀高井 研
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2017 年 123 巻 4 号 p. 237-250

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抄録

統合国際掘削(IODP)331次航海は,中部沖縄トラフの伊平屋北海丘を対象として2010年9月に実施された.熱水噴出を伴うマウンド直近のSite C0016では,黒鉱鉱床に比する熱水鉱化作用を見出した.マウンド東側数百mに位置するSite C0013,Site C0014からは,かなり浅い深度の堆積層にまで熱水成分が広がることを示す様々な証拠が得られた.一方,1550m離れたSite C0017では,50mbsfに至る海水の浸入が明らかになった.熱水域の海底下には,熱水によって支えられる高温で還元的な環境と海水の浸入によって形成される低温で酸化的な環境が出会う領域がキロメートルに及ぶスケールで広がっており,そのような領域に海底下生命圏が発達している.本掘削によって,火山性砕屑層が分布する地質学的環境に発達する海底熱水系の新たな描像を示すことができた.

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© 2017 日本地質学会
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