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地質学雑誌
Vol. 123 (2017) No. 6 p. 379-390

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http://doi.org/10.5575/geosoc.2017.0009

総説

ファインセラミックス合成とその物性を参考にした,岩石を模擬した人工ファイン岩石を用いた研究を総括する.まず,天然の岩石とファインセラミックスの粒界において,共通な構造と偏析が存在していることが示される.また,その粒界の移動した結果(粒成長)生じる,相(鉱物)間の粒径の関係,ゼナー則が成り立っていることが分かった.初期条件(化学組成等)や形成条件(時間,圧力等)が極めて異なる両者において,その微細構造は相似の関係が成り立っている.人工ファイン岩石の超塑性の発現とその変形微細構造が,マイロナイトやマントル岩を含む変成岩の構造と比較され,粒界すべりに伴う,同相粒子集合化構造,変形誘起粒成長および結晶軸選択配向が議論される.ファインセラミックスと岩石のアナロジーの本質は,「共通な」粒界による「共通な」粒界現象にある.決定的に知るのが困難な岩石形成プロセスの理解において,今後も人工ファイン岩石を用いた実験的研究の重要性は増すだろう.

Copyright © 2017 日本地質学会

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