地質学雑誌
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総説
岩石の変形特性に対する水の効果と大陸・海洋プレートのレオロジー構造
片山 郁夫東 真太郎
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2017 年 123 巻 6 号 p. 365-377

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抄録

岩石の変形特性は水の存在に強い影響を受けるため,地球内部のレオロジー構造は水の有無によって大きく異なる.本総説では,最新の岩石変形実験の結果に基づき,大陸プレートと海洋プレートのレオロジー構造を作成し,両地域でみられるテクトニクスと水の関連性を議論した.その結果,1)大陸地殻の下部には強度の弱面が存在するため変形が集中すること,2)大陸下のリソスフェアが対流に巻きこまれず安定的に存在するには水に乏しい必要があること,3)大陸縁辺部では,前弧側は沈み込むプレートからの供給により水に富んでいるのに対し,背弧側では島弧マグマの形成により水に乏しいこと,4)海洋リソスフェアは,中央海嶺での水の分別作用により,全体的に水に乏しいこと,5)海溝付近の海洋プレートの一部は,アウターライズ断層沿いの水の侵入により弱化していること,などがレオロジー構造から推察された.

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© 2017 日本地質学会
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