地質学雑誌
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巡検案内書:第124年学術大会(2017・愛媛大会)
久万層群と三崎層群:日本海拡大期の西南日本弧前弧中新統が記録するもの
奈良 正和楠橋 直岡本 隆今井 悟
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2017 年 123 巻 7 号 p. 471-489

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抄録

活発な地殻変動は堆積盆の成立や後背地の地形変化を支配し,地域的な堆積作用に影響を与える.そして,堆積様式の変化は,生物の生息を司る制限要因としても働き,その場の生態系にまで影響をおよぼす.したがって,前期中新世から中期中新世前期にかけて生じた日本海拡大にともなう古環境変動は,当時の古生態系へも影響を及ぼした可能性が高い.

四国西部に分布する中新統久万層群と中新統三崎層群は,こうした日本海拡大時期の前弧陸域~浅海域の堆積物である.三崎層群は,久万層群の南方に位置し,両者に含まれる河川堆積物が大局的に南方向への流れを記録することから,両層群を総合的に捉えることで,日本海拡大当時の西南日本弧前弧陸域から浅海域にかけての古環境や古生態を詳しく知ることが可能となる.

この巡検では,上記の観点から,久万,三崎両層群の露出地域をおとずれ,激動のテクトニクスで特徴づけられる前期–中期中新世の西南日本弧前弧陸域~浅海域の層序,そして,それらに記録された古環境・古生態情報に関する最近の研究成果を紹介する.

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© 2017 日本地質学会
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