地質学雑誌
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総説
変成岩組織と鉱物組成累帯構造からの情報抽出:
フォーワードモデルと逆解析
岡本 敦桑谷 立
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2017 年 123 巻 9 号 p. 733-745

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抄録

変成作用は,地球内部の温度・圧力・化学組成などの条件に応答して進行する化学反応である.変成作用の時間変化を観測することは難しく,最終状態の空間パターン(岩石組織)という独特な情報をいかに読み解くかが,岩石の形成条件やプロセスを理解する鍵となる.変成岩組織には,解釈がシンプルで理論背景が確立しているものから,複数のプロセスが関与して,モデル自体も手探りなものまで様々なクラスがある.本総説では,鉱物の組成累帯構造の熱力学的解析と,反応–破壊カップリング組織の離散要素法モデルを代表例とし,変成岩組織の逆解析とフォーワードモデリングの最近の進展についてまとめる.また,確率的な逆解析が,不定要素の大きい岩石学の問題に有効であることを示す.数値シミュレーションと観測データを統合するデータ同化的なアプローチは,今後,複雑な岩石組織の解読にブレイクスルーをもたらすものと期待できる.

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© 2017 日本地質学会
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