地質学雑誌
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論説
石川-福井県境地域における下部白亜系手取層群の層序と植物化石群の層位学的意義
酒井 佑輔関戸 信次松岡 篤
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2018 年 124 巻 3 号 p. 171-189

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抄録

石川県白峰地域および福井県滝波川地域における手取層群は,下位より,五味島層,桑島層,赤岩層,北谷層に岩相区分される.白峰地域の大嵐山周辺に露出する赤岩層より産出した植物化石群は,18属23種からなる.それらはシダ類,イチョウ類,球果類などの手取型植物群の指標分類群を主体とするが,少量の領石型植物群の指標分類群を含む.領石型植物群の指標分類群のうち,大きな葉をもつベネチテス類・ソテツ類や,Brachyphyllum属で代表される鱗片状の小さな葉をもつ球果類は,乾季を伴う気候に特徴的な植物とされている.従来,これらの分類群は,北谷層堆積時に混在し始めるとされていたが,本研究の結果,赤岩層堆積時には既に混在が起こっていたことが明らかになった.このことは,手取層群堆積盆の周辺における乾燥化が,これまで考えられていた時期よりも早期に始まっていたことを示唆する.

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© 2018 日本地質学会
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