地質学雑誌
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総説
日本の花崗岩:
2017年における総括
中島 隆
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2018 年 124 巻 8 号 p. 603-625

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抄録

2017年時点での日本の花崗岩の総括を行った.日本列島の花崗岩類はすべて顕生代の造山運動で形成された島弧型花崗岩である.大部分が日本列島がまだアジア大陸の一部だった時代に大陸の成長最前線として形成された花崗岩類で,ほとんどがIタイプであり,Sタイプ花崗岩類は非常に少ない.起源物質はその大部分がマントル由来の玄武岩質下部地殻の部分溶融によると考えられ,古い大陸基盤の存在や関与は考えられない.その活動はきわめてエピソディックであり,地表露出面積では50-130Maの白亜紀~古第三紀の花崗岩類が全体の約8割を占め,後期中生代環太平洋花崗岩地帯の一部をなす.西南日本外帯には13-15Maと極めて限られた期間に活動した花崗岩類が広範囲に露出しており,背弧海盆の拡大に関連した特異なテクトニクスでの活動と考えられている.ジュラ紀と三畳紀の花崗岩類は飛騨帯に見られる.古生代の花崗岩類はきわめて少ない.

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© 2018 日本地質学会
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