2019 年 125 巻 10 号 p. 737-757
神奈川県三浦半島中部に位置する横須賀市佐島で,工事中に現れた延長250m,高さ20-40mの大露頭の層序と構造を詳細に調査した.ここには,層厚60mの三浦層群の三崎層油壷部層(約5-3Ma)の海成層中に苦鉄質および珪長質の火砕岩層が狭在し,特徴的なテフラを鍵層として認定した(鍵層Sj 1-21).このうちの鍵層Sj 20は三崎層中の代表的な鍵層Soに対比される.いくつかのデュープレックス状構造が認められ,多くは地層面に平行な断層によるもので堆積後の早期に,地層面に斜交するスラストに沿うものは後期に形成された.早期のデュープレックス状構造は,地すべりタイプのデュープレックス状構造と解釈され,後期に形成された構造は,小規模なデュープレックスやスランプ褶曲を伴う.これらの構造のフェルゲンツは地層の現在の傾斜向きと異なり,地層の傾斜を水平に戻した際の海底地すべりの向きは,ほぼ南東向きであると考えられる.