地質学雑誌
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論説
瑞浪層群中村層における脈状岩石の形成過程
古川 邦之西本 昌司金丸 龍夫和田 穣隆新正 裕尚
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2020 年 126 巻 12 号 p. 697-712

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抄録

岐阜県可児盆地に分布する中新統の瑞浪層群中村層には,幅20cm以内の脈状岩石が局所的に複数形成されている.脈状岩石は,中心の砕屑部と両側の緻密部から構成される.これらの地質調査と化学分析,XRD分析を行ったところ,熱水流体による水圧破砕で形成されたと考えられる脈状砕屑部に,主にオパールCTの極微細な結晶で構成された淡褐色(Lm)と濃褐色(Dm)を呈する2種類の物質が沈殿したものであることが示された.Lmは軽石片の化学成分が溶出した流体を起源とし,Dmは氾濫原の還元的環境で形成された火山岩由来の成分を溶解した酸性流体が起源であると考えられる.Lmを沈殿させた流体は,砕屑部と接する母岩である凝灰質砂岩および泥岩の粒子間にも浸透,沈殿した.それにより砕屑部の両側に緻密部が形成された.緻密部は顕著な変質を受けていないため,砕屑部に流体が定置した後,母岩との間で水-岩石反応が進行する前に沈殿が起き固化したと考えられる.

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© 2020 日本地質学会
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