地質学雑誌
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バイカル湖アカデミー湖嶺における氷上掘削
井内 美郎片山 肇斎藤 清次箕浦 幸治河合 崇欣クズミン M.
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1996 年 102 巻 6 号 p. XVII-XVIII

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抄録
1996年2月から3月にかけて, バイカル湖の中央部, アカデミー湖嶺において氷上ボーリングが実施された. 今回の据削では, 湖底から300メートルの試料採取が試みられ, 鮮新・更新世の環境変遷史解明が目標とされている(第1, 2図). 掘削現場には, 掘削のシステムを乗せた鉄製の台船と, 曳航船および宿舎としてのウランウデ号が氷 (厚さ50ないし100cm) 中に固定されていた (第3, 4図).なお, 固定のためのアンカー等は使用されていない.
今年度および来年度冬には, 北部湖盆において1000mの掘削が予定されており, 掘削候補地点選定のため, 湖内各地でピストンコア試料が採取されている. 日・米・露・ECの共同研究として実施された本掘削の研究成果は, 国際地圏生物圏研究計画 (IGBP)-古環境解析コアプロジェクト(PAGES)や生物進化学への貢献が期待されている. 今回は, 第1報として, 現場の据削状況を中心に紹介する(第5~10図). また, 昨年秋に中部湖盆の湖底平原 (最深部付近) でベリシャーギン号により採取したビストンコア試料についても簡単に言及する(第11~13図). なお, 図を作成するにあたって, 地質調査所燃料資源部の棚橋 学氏と非常勤職員の久保紀子氏の協力を得た. ここに謝意を表します.
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