地質学雑誌
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紀伊半島東部秩父帯の犬戻峡コンプレックス : チャート砕屑岩シークエンスで特徴づけられるジュラ紀付加複合体
柏木 健司
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2001 年 107 巻 10 号 p. 640-658

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抄録

紀伊半島東部大内山地域において, 秩父帯に属する犬戻峡コンプレックスを記載した.犬戻峡コンプレックスは, 砥石型珪質粘土岩, チャート, 赤色泥質チャート, 赤色珪質泥岩, 暗緑色珪質泥岩および粗粒砕屑岩から構成される.各岩相は, 東北東-西南西走向の北傾斜の断層で境されるテクトニックシートを構成し, 犬戻峡コンプレックスはそれらが構造的に累重する覆瓦構造をなす.また, 三畳紀中世からジュラ紀中世後期を示す放散虫化石と岩相的特徴に基づいて, チャート砕屑岩シークエンスが復元される.紀伊半島の秩父帯は西部と東部地域に分布が二分され, 大内山地域は東部のほぼ中央部に位置する.大内山地域では, 主として古生界から構成される黒瀬川帯の存否に関して意見が対立していた.本研究では, 大内山地域には黒瀬川帯は存在せず, ジュラ紀中世付加複合体から構成される秩父帯のみが広く分布することを明らかにした.

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