地質学雑誌
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飛騨外縁帯九頭竜湖-伊勢川上流地域における中部古生界の層序と地質年代
栗原 敏之
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2003 年 109 巻 8 号 p. 425-441

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抄録

飛騨外縁帯九頭竜周-伊勢川上流地域の中部古生界は,炭酸塩粒子に富む凝灰質砕屑岩からなる影路層(新称),砕屑岩を主体とする子馬巣谷層(新称)および主に石灰岩からなる上穴馬層(再定義)に区分できる.放散虫化石に基づき,影路層の年代は前期シルル紀の前期,子馬巣谷層は後期シルル紀~前期デボン紀の後期である.上穴馬層は福地層との対比から前期デボン紀である.飛騨外縁帯の他地域の中部古生界との対比から,これら各層は年代,岩相および岩相層序の組み合わせにおいて福地-一重ヶ根地域の中部古生界と類似し,本郷-荒城川および楢谷地域の中部古生界とは相違点が多いといえる.また,九頭竜周-伊勢川上流地域の下部デボン系には,ほぼ同時代の浅海相と深海~半深海相が存在することが明らかになった.こうした同時異相の存在は,飛騨外縁帯中部古生界の岩相層序の差異が,分化した堆積盆で形成されたことに起因する可能性があることを示す.

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