44 巻 (2007) 6 号 p. 726-733
目的:地域高齢者において,1日平均歩数が健康づくり指標として活用できるか明らかにすることを目的とした.方法:大都市近郊に在住し老人福祉センターを利用している60歳から89歳の高齢者339人(男性96人,女性243人)を対象に,身体測定(1日平均歩数,通常歩行速度,Timed Up & Go test,握力,全身筋肉量,骨密度)と心理的,身体的,日常生活因子に関する自記式質問紙調査を行い,1日平均歩数の特徴と健康日本21の目標値によって区分した2群と関連する因子の解析を行った.結果:1日平均歩数の平均値は男性8,075歩,女性7,902歩であった.男性の41.7%,女性の28.8%は健康日本21の目標値未満であった.1日平均歩数は男女とも加齢と共に減少し,通常歩行速度,Timed Up & Goと相関を認めた.健康日本21の目標値で区分した場合,目標値未満群に関連する因子は,間欠性跛行の自覚症状がある,転倒不安感があるであった.目標値以上群には散歩をほぼ毎日する,健康維持のためいつも体を動かしているが関連した.結論:高齢期における1日平均歩数は歩行速度や歩行バランスなどの歩行能力と関連しており,特に定期的な散歩習慣は歩数の多さに寄与していた.高齢期の健康づくりに歩数を用いて指導することは有用であると結論づけられる.