45 巻 (2008) 3 号 p. 338-342
症例は91歳女性.労作時呼吸困難および食欲低下のため近医を受診し,胸部単純X線写真で右側胸水を指摘された.呼吸困難の増悪のため,精査加療目的で入院した.入院後,胸水穿刺排液を行った.胸水より腺癌細胞を認め,胸部CTで右下葉に腫瘤影を認めた.全身精査の結果,肺腺癌(cT4N2M0, stage IIIB)と診断した.gefitinibの投与を開始したところ,画像上,胸水の増加を認めなくなり,腫瘤影も縮小した.またperformance status(以下PSと略す)も改善した.gefitinibは忍容性が良好であり,標準的化学療法の適さない高齢あるいはPS不良の非小細胞肺癌症例における治療選択肢となるかもしれない.