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日本老年医学会雑誌
Vol. 49 (2012) No. 4 p. 387-392

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.49.387

委員会報告

目的:「高齢者の終末期の医療およびケア」に関する日本老年医学会の「立場表明」(倫理委員会改訂案)」(以下,「立場表明改訂案」)およびQ&A案に対する日本老年医学会代議員等の意見を明らかにする.方法:日本老年医学会の名誉会員・特別会員・役員・代議員(789名)を対象に自記式アンケート調査を郵送で行った.質問内容は,「立場表明改訂案」を出すことへの賛否,項目(はじめに,基本的立場,「立場表明」における用語の定義,および立場1~10の13項目)ごとに,修正点や意見の有無と内容(自由記載),Q&Aに追加すべき項目,その他(自由記載),とした.結果:回収率は約28.5%(225/789名)であった.「立場表明改訂案」を出すことに「賛成である」が71.1%,「どちらかと言えば賛成である」が20.5%であった.すべての項目や立場に対して「修正点もしくは意見はない」が80%以上であった.Q&Aに追加したい項目としては,アドバンス・ディレクティブあるいはアドバンス・ケアプラン,透析を含む延命措置の中止の際の法的状況,成年後見人,倫理委員会での審議や決定の法的拘束力,等が挙げられた.修正意見や自由記載では,胃瘻,人工呼吸器,倫理委員会などに関する記載があった.内容自体の評価とともに,前回の「立場表明」に比べて具体的表現になったことを評価する意見があった.結論:10年が経過した「立場表明」を改訂することは,日本老年医学会代議員等から賛同を得られた.その内容に関してもすべての項目においてほぼ賛同を得られた.しかしながら,終末期における患者の自己決定権の尊重と患者にとっての最善の医療の関係,人工栄養,人工呼吸器,透析等の導入と中止に関する意思決定のあり方,認知症患者の終末期の医療行為の決定のあり方,倫理委員会のあり方等,さらなる検討が引き続き求められていることが明らかとなった.

Copyright © 2012 一般社団法人 日本老年医学会

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