日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
シンポジウム7:『健康長寿診療ハンドブック』は健康長寿に貢献できるか
4.老年医科・実地医家からの意見
中橋 毅
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2013 年 50 巻 3 号 p. 306-308

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抄録

本セクションでは日常の高齢者診療の現場に密着したハンドブックの有用性についての考証を試みてみたい.老年医科を有する施設では他の内科系診療科を含む多くの診療科を有するため,老年医科の役割は,高齢者の専門治療や退院支援など老年病専門医としての専門的診療の提供,そして安定が得られた症例を紹介元へ戻す場合の非老年病専門医との連携が主なものとなる.一方,本邦の高齢者診療の主な現場である実地医家においては,老年医科との連携のみならず地域の他の医療機関,そして介護・保健施設などとの連携なしには高齢者診療は行えず,ハンドブックを共通言語とした地域での情報交換・共有が非常に重要となってきている.本ハンドブックは非老年病専門医を主な対象としているため前者についての議論は別の機会に譲り,本セクションでは老年医科と非老年病専門医との連携におけるハンドブックの有用性について考える.

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© 2013 一般社団法人 日本老年医学会
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