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日本老年医学会雑誌
Vol. 50 (2013) No. 4 p. 528-535

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.50.528

原著

目的:都市部在住の高齢女性の膝痛,尿失禁,転倒の徴候と歩容との関連を検討し,歩容から老年症候群の予測が可能であるかを検討する.方法:2009年度に70歳以上の高齢女性を対象に実施した包括的健診に参加した971名のうち聞き取り調査,歩行測定,認知機能低下の疑いがなかった870名を対象とした.聞き取りでは,膝痛有無,尿失禁有無,転倒有無などを調査した.歩容は,ウォークWayより,歩行速度,ケイデンス,ストライド,歩幅,歩隔,歩行角度,つま先角度,左右差(ストライド,歩幅,歩隔,歩行角度,つま先角度)を求めた.また膝痛,尿失禁,転倒の徴候の有無,徴候の程度を従属変数と歩容変数を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を施した.結果:膝痛,尿失禁,転倒の徴候を有する群では,歩行速度が遅く,ケイデンス,ストライド,歩幅が減少し,歩隔,歩行角度が増大した.多重ロジスティック回帰分析の結果,軽度のいずれの徴候には,歩行速度が有意に関連した.一方,中程度以上の徴候の場合,膝痛では歩隔(OR=0.58,95%CI 0.40~0.84),歩行角度(OR=1.62,95%CI 1.30~2.01)が,尿失禁では歩行速度(OR=0.97,95%CI 0.96~0.99),歩行角度(OR=1.14,95%CI 1.02~1.26),歩行角度左右差(OR=1.43,95%CI 1.09~1.86)が,転倒では歩幅(OR=0.85,95%CI 0.79~0.93),歩行角度左右差(OR=1.36,95%CI 1.01~1.85)が有意に関連した.結論:歩行速度と歩容要因を組み合わせることで徴候の早期発見に活用できる可能性が強く示唆された.

Copyright © 2013 一般社団法人 日本老年医学会

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