目的:学校形式での施設運営を行い5年が経過し,施設在所日数短縮と在宅復帰者数の増加を図ることが出来たことから入所期間中の利用者の心身機能の変化について調査を実施した.方法:対象者は当施設を新規に利用して入所した利用者41名とした.集団及び個別プログラムとして介入し,MMSE・FAB・Vitality Index・FIMの4つの評価項目について,入所時及び入所日より1カ月毎の評価を実施した.結果はFriedman検定を用いて,比較検討した.結果:対象者の集団プログラムへの参加率は,81.9%であった.個別プログラムとして機能訓練への参加は週平均5.94日,くもん学習療法への参加は週平均3.27日であった.統計処理の結果,MMSE・FAB・Vitality Index・FIMの4つの評価項目すべてにおいて有意差が認められた.結論:今回,維持期の高齢者であるにも関わらず,心身機能の改善を図ることが出来た.この背景には,集中的な個別対応でのリハビリテーション介入のみならず,学校形式としての活動により対象者自身が快刺激を体験する事で,意欲向上に繋がり,身体機能や認知機能が改善する大きな要因となった.