高血圧患者の血圧管理基準については未だに議論が絶えない.今回のテーマであるSPRINT(Systolic Blood Pressure Intervention Trial)研究は降圧目標値に関する疑問に対して答えを求めた米国の研究である.非常にインパクトが大きく重要な研究であるが,この研究の結果を高齢者高血圧の診療にどう活かすのかを検討する必要がある.本項では高齢者高血圧治療を行っていく上でのSPRINT研究の意義の検証ならびに2017年に出された我が国の‘高齢者高血圧診療ガイドライン2017’と米国高血圧治療ガイドラインを解説し,真に望まれる高齢者高血圧の管理につき議論する.