日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
原著
構造的観点における後期高齢者の質問票の構成概念妥当性の検証―新型コロナウイルス感染症対策の時期における予備的検討―
篠原 智行齊田 高介田中 繁弥村山 明彦樋口 大輔
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2022 年 59 巻 1 号 p. 39-48

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抄録

目的:後期高齢者の質問票の因子構造とモデルの適合性を示すことで構成概念妥当性を明らかにする.方法:65歳以上の高齢者1,953名を対象とする横断調査を行った.うち,後期高齢者を対象に,探索的因子分析を用いて後期高齢者の質問票の因子構造を示したのち,得られたモデルの適合度を確証的因子分析にて検証した.前期高齢者にも同様のモデルで確証的因子分析を行った.結果:1,110名より回答を得た.回収率は56.8%であった.そのうち,調査項目全てに回答があった994名を解析対象とした.後期高齢者(699名,平均81.6歳)を対象とし,重みづけのない最小二乗法およびプロマックス回転による探索的因子分析の結果,後期高齢者の質問票は5因子(心身の状態,社会との関わり,食事と喫煙,運動機会,認知機能)で構成された.健康状態を上位概念,5因子を独立した下位概念とするモデルを確証的因子分析にて評価したところ,Comparative Fit Index(CFI)=0.899,Adjusted Goodness of Fit Index(AGFI)=0.965,Root Mean Square Error of Approximation(RMSEA)=0.034,Standardized Root Mean Square Residual(SRMR)=0.040であった.また,前期高齢者(295名,平均71.3歳)では,CFI=0.886,AGFI=0.942,RMSEA=0.035,SRMR=0.048であった.結論:後期高齢者の質問紙は健康状態を包括的に評価しており,フレイルに関連した多因子で構成されていた.後期高齢者の質問票の開発経緯に沿ったものであることが示された.また,モデルの適合性は良好で,因子的妥当性は十分であった.後期高齢者の質問票の構成概念妥当性が確認された.

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