2022 年 59 巻 1 号 p. 9-14
認知症のリハビリテーションは,実際に生活する場面を念頭に置きつつ,有する認知機能等の能力をしっかりと見極め,これを最大限に活かしながら,ADL(食事,排泄等)やIADL(掃除,趣味活動,社会参加等)の日常の生活を自立し継続できるようにすることである.リハビリテーション医療において,ADLやIADLなどの応用的動作能力を高める治療として作業療法がある.認知症の方のADLやIADLを実施する能力を見極めるためには,国際生活機能分類(International Classification of Functioning, disability and health,以下ICF)を活用し,障害された機能と残存している機能を見極め,活用できる能力をアセスメントすることができる.作業療法の紹介を通して,認知症の方に対するリハビリテーションとICFの活用,認知症の方への対応方法例を紹介する.