目的:85歳以上の高齢者の割合が増加すると予想されている中,日本での集団を対象とした食事パターンと身体機能との検討は限られる.本研究は東京都在住の85歳以上の高齢者の食事パターンを明らかにし,身体機能との関連を検討することを目的とした.方法:The Tokyo Oldest Old survey on Total Health研究のベースライン調査データで推定された58項目の食品を33項目に集約し,エネルギー調整した後に主成分分析を行った.身体機能は握力,椅子立ち上がりテスト,通常歩行速度で行った3 m timed up and go testの結果を用いた.重回帰分析で交絡因子を調整し,各食事パターンと身体機能との関連を検討した.結果:解析対象者は年齢が87.3(86.2~88.8)歳(中央値(四分位範囲))であった.「副菜型;植物性食品」,「主菜型;魚ときのこ」,「主食型;めしとみそ汁」の3つの食事パターンを特定し,このうち,「主菜型;魚ときのこ」の傾向と握力が有意に関連した(偏回帰係数,B(95%信頼区間):0.48(0.13~0.83)).結論:東京都に在住する85歳以上の高齢者集団で魚やきのこの摂取が特徴的な食事パターンが握力と正の関連を認めた.