日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老人性および若年性本態性高血圧症における交感神経系機能の差異について
萬代 隆荻原 俊男波多 丈岡田 義昭小笠原 三郎三上 洋中丸 光昭岩永 圭市熊原 雄一
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17 巻 (1980) 1 号 p. 49-55

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抄録

本態性高血圧症, 血圧維持機構における交感神経系の関与が注目されている. しかし, 多種の要因が複雑に関与しているため現在のところ明確な結論は得られていない. 今回, 本態性高血圧症における加齢による交感神経系の関与の差異を検索するため, グルカゴン負荷時の尿中カテコールアミン反応性 (尿中アドレナリンおよびノルアドレナリン排泄値) を指標とすることにより, 老年性および若年性本態性高血圧症の交感神経系機能を比較検討した. その結果, 1) 若年性本態性高血圧症患者において, 交感神経系の反応性亢進をみたが, 2) 老年性本態性高血圧症患者においては, 交感神経系の反応性亢進は認められなかった. また, 3) 若年性および老年性の正血圧者群においては, 交感神経系反応性に有意な差異が認められず, 今回の実験に関する限り, 正血圧者群における加齢による交感神経系の反応性変化は認められなかった. 以上の結果より, 本態性高血圧症における病因としての交感神経系の関与は, 若年性本態性高血圧症では強く疑われたが, 老年性本態性高血圧症においては認める事ができなかった.

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