日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
少量アスピリンの抗血小板療法について
血小板凝集能からの検討
谷口 直樹山内 一信近藤 照夫横田 充弘外畑 巌
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1981 年 18 巻 6 号 p. 463-468

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抄録

aspirin は抗血小板薬として従来より各種血栓症の治療に使用されている. 近年 aspirin の大量投与は prostacyclin 合成を阻害し, 血栓生成に作用すると指摘され, その投与量が再検討されつつある. 本研究の目的は aspirin の種々の単回および連日投与における血小板凝集能抑制効果を検討することより, その至適投与量を決定することである. 対象は虚血性心疾患, 弁膜症および大動脈炎症候群などの心疾患患者71名であり, 健常人13名を対照とした. aspirin 1日80, 160, 330, 660および990mg連日投与群における4μM ADP最大凝集率には有意差は認められず, いずれの群の凝集率も aspirin 投与を受けていない健常群のそれに比して低値を示した. aspirin 160mg以上の単回投与では投与後1時間以内に凝集能抑制効果が出現した. 単回投与の凝集能抑制効果持続日数の平均値は330mg投与では4日, 660mgでは5.5日, 1320mgでは6日であった. aspirin による胃腸障害, 出血等の副作用の出現頻度は dose dependent であることを考慮すると, 本薬を長く投与する必要がある場合, 可及的少量が望ましい. ADP凝集抑制効果の観点からは1日量80mgの連日投与または160mgの隔日投与が至適投与法と考えられた.

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