22 巻 (1985) 5 号 p. 450-456
老化とともに免疫能に異常をきたすことが知られている. この老年者の免疫異常におけるmonocyte の役割を知るために以下の検索をおこなった.
Mitogen に対する末梢リンパ球の反応が, monocyte の helper 能を必要とすることを確認するために, 25~35歳の健常若年者末梢単核球より, リンパ球と monocyte を分離して, リンパ球+MMC処理 monocyte の組み合わせを作成し, PWMおよび Con A刺激下に培養した. 培養3日目に3H-TdRの取りこみを, 8日目にIgG産生量を測定して検討した.
PWMおよびCon A刺激培養とも, リンパ球のみの場合は3H-TdRの取りこみは低値であり, 加える monocyte の数を増加するにつれて3H-TdRの取りこみは高値を示すようになった. またPWM刺激培養時のIgG産生もリンパ球のみの場合は極めて低値であり, monocyte 数を増加するにつれて高値を示した. しかし monocyte の数が1×105/0.2mlと過剰になると逆にIgG産生が低下する例もみられた.
以上によりPWM, Con A刺激下でのリンパ球反応は monocyte の helper 能を必要とするが, 培養中の monocyte が過剰になると反応が抑制される場合もあることを示している.
この monocyte の helper 能を若年者と老年者で比較検討するために, 若年者リンパ球+若年者 monocyte または老年者 monocyte の組み合わせを作成して, PWMおよびCon A刺激下培養をおこなった. 3日間培養とも若年者リンパ球+若年者 monocyte の培義のほうが若年者リンパ球+老年者 monocyte の培養に比較して高値を示した. また8日間培養時のIgG産生も同様の傾向にあったが, monocyte の数が5×104コ/0.2mlの場合両者に差を認めなかった.
以上により老年者 monocyte の helper 能に一部異常があることが示唆された.