日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高齢者における血漿フルクトサミン値の評価について
阿部 奈々美柏木 厚典紀田 康雄繁田 幸男服部 昭男山本 正弘加藤 守彦
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1991 年 28 巻 4 号 p. 530-535

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抄録

最近, 血漿フルクトサミン値 (以下F値と略す) が前1~2週間の血糖のコントロールの指標として用いられて来ている. われわれは65歳以上の高齢者におけるF値の臨床的意義および問題点を検討した. 対象は65歳未満の非糖尿病者81名 (A群) と65歳以上の高齢非糖尿病者で日常生活を自力で成しうる75名 (B群), 介助を要する86名 (C群) 及び高齢糖尿病者26名 (D群) である. M±2SDでもとめた非糖尿病者のF値上限はA群3.1mmol/l, B群2.5mmol/lでB群が24%低値であったが, F値/血清アルブミン値比 (以下F/ALBと略す) で見ると両群に差はなかった. 年齢とF値には負の相関があり (p<0.01), これは年齢によるアルブミン低下により説明された. C群についてはアルブミン低下にもかかわらずF値はB群より高値であった. 65歳以上の高齢者においてF値で血糖を評価する場合はアルブミン補正値 (F/ALB) を考慮したほうがよいと思われる. また Activities of daily life の低い高齢者は血糖値, HbA1値, HbA1c値と合わせて評価する必要があろう.

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