日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
高齢者脳MRIで脳幹部特に橋部に異常信号を示した症例について
丹野 宗彦中山 雅文京増 芳則川上 睦美間島 寧興遠藤 和夫千葉 一夫山田 英夫丹野 瑳喜子笠原 洋勇
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 29 巻 3 号 p. 190-197

詳細
抄録

脳幹部に疾患が疑われ, 脳幹部のMRIを施行した97症例のMRI所見につき検討した. 対象は昭和63年6月より平成元年3月迄に施行した97症例である. その内訳は男性53症例, 女性44症例である. 平均年齢は共に71歳である. 病変の判定はT1強調像, T2強調像およびプロトン像で行った.
その結果, 1) 61歳以上の高齢者では脳幹部, 特に橋部に病変を認めた症例が多く, その内訳では梗塞例が最も多かった. また橋部にT2強調像で高信号域を認め, T1強調像で同部の異常信号を認めないMRIの画像診断上, いわゆる典型的な梗塞パターンを示さない症例も多く認められた. 2) この二つの所見を呈した症例では共に高い頻度で基底核, 視床などに病変を合併していた. 3) 高血圧症の既往を有する症例では, 認めない症例に比して, 橋部により高い頻度で病変を認めた (α<0.01)

著者関連情報
© 社団法人 日本老年医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top