33 巻 (1996) 9 号 p. 702-706
症例は, 80歳, 男性. 白血球増多を指摘され, 1995年2月20日当科入院. 末梢血液では, 芽球の出現はなく, 著しい単球増多を伴う白血球増多, 貧血, 血小板減少を認めた. 骨髄は過形成で, 巨核球はやや減少していた. 分画では, 芽球+前骨髄球=5.6%であり, 好塩基球増多を認めなかった. 3系統の細胞に軽度の異形成を認めた. 染色体分析では47, XY, +8, t (9; 22) (q34; 11) でありフィラデルフィア (Ph1) 染色体と8番トリソミーを認めた. Fish 法による bcr 再構成の検索では, large bcr 陽性であった. FAB分類の慢性骨髄単球性白血病 (CMMoL) の診断基準を満たしPh1染色体を認めたので, Ph1陽性CMMoLと診断した. hydroxyurea 投与により, 1年間急性転化せず経過観察中である. CMMoLは骨髄異形成症候群 (MDS) の一病型として分類されている. MDSでPh1染色体を認めることはまれであり, CMMoLで認められたという報告は極めて少ない. CMMoLは均一な疾患ではない可能性が指摘されており, CMMoLの疾患概念を再検討する上で本症例のような症例の蓄積が必要と考えられた.