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日本老年医学会雑誌
Vol. 34 (1997) No. 7 P 577-582

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.34.577


高齢者のメチシリン耐性ブドウ球菌 (MRSA) 感染褥瘡に対して, Gentian Violet と Dibutyryl cAMP配合軟膏 (GVcAMP軟膏) と Povidone-Iodine Sugar 軟膏 (IS軟膏) との治療成績の比較を無作為前向き研究として施行した. 両群の背景として年齢, 原疾患, 栄養状態の指標に差を認めなかった.
褥瘡治療の指標として14週間にわたり, 毎週褥瘡部細菌培養を施行し, 隔週写真撮影にて褥瘡面積を測定し, 褥瘡形態, 肉芽の盛り上がりを評価した. 培養結果では, GVcAMP軟膏群 (n=8) ではMRSAの陰性率は92.9%でIS軟膏群 (n=11) の74.3%に比べ有意に (p<0.01) 高かった.
両群とも肉芽の盛り上がりは良好であったが, 褥瘡面積の比較では, 開始時の100%として, GVcAMP軟膏群44.6%に対しIS軟膏群55.7%であった. 開始時の褥瘡面積がGVcAMP軟膏群が大きかったことを加味すると, 縮小の成績もGVcAMP軟膏群は少なくともIS軟膏群と同等以上であると考えられた. 両群とも局所及び全身に副作用を認めなかった.
GVcAMP軟膏はMRSA感染褥瘡に対して, ポピドンヨードに変わりうる有力な治療方法と考えられる.

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