日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老年者における血圧と左室拡張期心機能の相関
小田原 弘明近森 大志郎矢部 敏和瀬尾 宏美河本 昭子小澤 利男土居 義典
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35 巻 (1998) 2 号 p. 116-121

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老年者における血圧と左室拡張期心機能との相関を検討するため, 地域在住の高齢者ボランティア28名を対象として研究を行った. 血圧は随時血圧と携帯型自動血圧計による自由行動下血圧を測定した. 左室拡張期心機能は心エコーによるパルス波ドプラ法とリスト法心プール検査により評価した.
随時血圧, 24時間血圧と左室重量係数との間には有意な相関は認めなかった. 随時血圧では心プール法による後期最大充満速度と拡張期血圧の間に弱い相関 (r=0.39, p<0.05) が認められるのみで, 他の心プール法の指標あるいは心エコー・ドプラ法の指標と血圧との間に相関は認められなかった. 自由行動下血圧では心プール法による後期最大充満速度と24時間血圧・昼間血圧・夜間血圧のいずれの間にも相関が認められたが, 夜間拡張期血圧との間の相関が最も強かった (r=0.53, p<0.005). 心プール法による後期最大充満速度と前期最大充満速度との比率, 最大充満速度までの時間, 心エコー法による拡張早期左室流入速度と自由行動下血圧との間にも相関は認められたが, いずれも後期最大充満速度と夜間拡張期血圧との相関よりは弱かった.
地域在住高齢者において, 血圧と左室重量係数との間には相関を認めず, 血圧と左室拡張期心機能との間に有意の相関が示された. この相関は24時間血圧あるいは昼間血圧よりも夜間血圧において明瞭であった.

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