日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
骨髄異形成症候群, IgA腎症, 関節症と多彩な所見を呈した一症例
林 信太郎岡田 豊博堤 久熊川 寿郎森 眞由美
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1999 年 36 巻 5 号 p. 373-376

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抄録

症例は72歳男性. 1991年頃より膝関節痛が出現しNSAIDsが投与された. 同時期に軽い腎障害を指摘された. 1993年に貧血 (Hb 9g/dl台) を指摘された. 1996年7月に下腿の浮腫と息切れを主訴に当院に受診し, 貧血の進行 (Hb 6.9g/dl) と腎障害 (Cr 1.5mg/dl) を認め入院となった. 貧血の主因として骨髄異形成症候群 (以下MDS) が, 腎障害の精査で行った腎生検でIgA腎症が確認された. また10月下旬には両側手, 膝関節に関節炎が出現した. このためプレドニン20mg/日を開始したところ, すみやかに関節炎は消失し, 貧血と腎機能にも改善傾向がみられた.
本例は経過中にMDS, 腎障害, 関節炎と多彩な臨床像を呈したが特にMDSと成因の一つに骨髄異常を指摘されているIgA腎症の合併例はこれまでになく, 本報告が一例目と思われる.

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