日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
老人専門病院における転倒実態
調査法による差異
久保 晃丸山 仁司高橋 龍太郎
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キーワード: 転倒, 調査法, 信頼性, 高齢者
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36 巻 (1999) 6 号 p. 408-411

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抄録

本研究の目的は, 老人病院へ入院し理学療法を施行した延べ130症例を対象に, 入院中に発生する転倒実態の信頼性を聴き取り法と記載拾い出し法で検討することである. また, 対象者を75歳を境に前期高齢者と後期高齢者に分類し, 加齢による特徴についても検討を加えた.
記載拾い出し法では本人や家族, 同室者などからの申告による転倒情報で, かつ傷害が発生しない転倒が把握されにくかった. また, この傾向は75歳未満の前期高齢者群に顕著だった. したがって, 記載拾い出し法の転倒発生率は有意に低くなり, 転倒による大腿骨頸部骨折などの受傷率は上昇した. このため, 記載拾い出し法は転倒の実態調査結果の信頼性に問題を呈すると結論された.
また, 転倒により大腿骨頸部骨折や縫合処置が必要となったのはすべて75歳以上の後期高齢者であった. よって後期高齢者に対する傷害予防対策が急務であると考えられた.

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