日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
骨髄異形成症候群 (不応性貧血) からの急性白血病化に低用量 melphalan が奏効し染色体異常 (8 trisomy) が消失した1例
御舘 靖雄山内 博正高見 昭良朝倉 英策中尾 真二
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38 巻 (2001) 3 号 p. 405-408

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抄録

症例は80歳男性. 骨髄異形成症候群 (MDS) で無治療にて経過観察中, 1年6カ月後に急性骨髄性白血病に急性転化し入院した. 入院時, MDS経過時には認めなかった trisomy 8染色体異常が出現した. 高齢かつ performance status を考慮し, G-CSF 150μg+cytarabine ocfosfate (SPAC) 250mgによる治療を開始した. 治療開始3週後には治療効果がみられず, 低形成髄のままでSPACを中止した. SPAC中止18日後より維持療法として melphalan 2mg/日の連日経口投与を開始した. melphalan 投与開始直後から末梢血の回復が認められ, 骨髄芽球比率が減少し, 8番染色体のFISH解析でも異常は認めなかった. その後輸血不要となり, performance status も4度から2度へ改善した. 染色体解析でも正常核型を維持し, melphalan 投与による毒性も認めなかった. 最近, 高齢者など high risk 白血病患者を対象に Ara-C, etoposide, SPAC などを用いた低用量治療がQOLを考慮した治療として注目されている. 過去の報告で急性白血病やMDS症例に対する低用量 melphalan 療法の報告は多くはなく, 染色体異常を有する症例に対しては無効であった. 本症例はSPAC+G-CSF併用療法後の melphalan 低用量療法が有効であった.

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