2002 年 39 巻 4 号 p. 448-451
症例は85歳女性. 介護老人保健施設にて胃瘻による経管栄養管理を受けていた. 来所時は状態が安定していたが, その後, 経腸栄養剤の流涎, 胃瘻挿入部からの経腸栄養剤リーク, 嘔吐, 発熱, 栄養剤注入時の呼吸困難様症状, 肺炎などの症状を反復して認めた. そのため, 各症状の緩和のために, 粉末寒天により固形化した経腸栄養剤投与を開始したところ, 投与直後より発熱以外の症状が消失し, 発熱に関しても開始後2週間で消失し, 良好な経過が得られた. また投与手技も簡略化され, 介護者の労働的負担の軽減にも寄与し得た.