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日本老年医学会雑誌
Vol. 40 (2003) No. 2 P 147-155

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.40.147


介護保険施行1年後に, 福岡県遠賀郡内の1訪問看護ステーションの利用者 (要介護高齢者とその介護者47組) を対象に, 日本語版 Zarit 介護負担尺度を用いて, 介護負担に関する調査を行った. 介護負担の重い介護者は軽い介護者に比べ, 要介護高齢者を一人おいて外出できる時間が短く, 介護時間が長い傾向を示した. また, 体調の悪い介護者が多く, 介護サービスを利用するのに近所の目が気になる傾向にあった. 介護負担が重い介護者は, ショートステイを利用している者が多く, デイケアの利用や介護教室の参加の割合が多かった. 負担が重い介護者が希望する社会サービスは, 配食・給食サービスの希望が多かった. 負担が重い介護者が介護している要介護高齢者と負担が軽い介護者が介護している要介護高齢者とで, 要介護度に差を認めなかった. 以上より, 介護保険制度において, サービスは要介護度に応じて平等に配分されていると考えられた. しかし, 介護負担の重い介護者はショートステイ・デイケアの利用が多いにも関わらず, 要介護高齢者を一人にして外出できる時間が少なく, 介護サービスを利用するにあたって, 近所の目が気になる傾向にあった. 訪問介護などの介護者に自由な時間ができるようなサービスが, もっと近所の目を気にせずに利用できるようにする必要があると考えられた.

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