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日本老年医学会雑誌
Vol. 40 (2003) No. 5 P 497-503

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http://doi.org/10.3143/geriatrics.40.497


要介護高齢者を介護する者の介護負担を客観的に測定することは極めて重要である. 本研究の目的は, 我が国で頻用されている Zarit 介護負担尺度日本語版 (J-ZBI) の短縮版を作成することである.
鹿児島県肝属郡内の6町の在宅要介護高齢者1,713名を対象に, 訪問調査を実施した. この1,713名のうち, 同居家族が主介護者であった735名に対しては, 訪問時に主介護者の性, 年齢, 介護負担 (J-ZBI) に関する調査も行った.
短縮版の項目の選定にあたっては, 因子分析 (最尤法, Varimax 回転) を行った. 因子分析の結果, 固有値1以上の因子が4つ抽出された. 固有値の大きさと原版の因子構造を参考に, 第一因子 (Personal strain), 第二因子 (Role strain) から, 因子負荷量の高い項目を, それぞれ5項目, 3項目を選択し, J-ZBI短縮版 (J-ZBI_8) とした. J-ZBI_8の内的整合性を確認するために, Cronbach's αを計算したところ, 0.89であり, 下位尺度 Personal strain, Role strain それぞれの Cronbach's αの値は0.87, 0.82であった. また, J-ZBI_8の併存的妥当性を検討するために, J-ZBI_8とJ-ZBIおよび項目22との相関を検討したところ, それぞれr=0.93, 0.68であった (共に, p<0.001). さらに構成概念妥当性を検討すべく, 介護で困っていると答えた介護者のJ-ZBI_8得点と困っていないと答えた介護者とのJ-ZBI得点を t-test により, 比較したところ前者が9.31点 (SD=7.19), 後者が3.45点 (SD=4.57) であり有意差がみられた(p<0.001).
J-ZBIの短縮版, J-ZBI_8の信頼性, 妥当性は原版と同様高いものであり, 充分に実用に耐えうるものと確認された.

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