日本老年医学会雑誌
Print ISSN : 0300-9173
特発性間質性肺炎の新規治療効果
吾妻 安良太
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2005 年 42 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

特発性間質性肺炎の慢性型にあたる特発性肺線維症 (IPF) は初診時からの平均余命3~4年と, 極めて予後不良な疾患である.
従来, 線維化に先行する炎症を抑制するステロイド療法あるいは免疫抑制療法が行われてきたが, 生命予後の改善にはいたっていない.
近年, 線維化抑制を目指して, いくつかの臨床試験が展開された. わが国では pirfenidone の無作為化二重盲検比較試験を遂行し, 呼吸機能の悪化ならびに, 急性増悪の頻度に有意な改善を認めた. また定速歩行中のSpO2最低値を比較し, 呼吸予備能を鋭敏にとらえる装置を導入して検討したところ, IPF患者の評価に有用であった. 本法は新たな評価法として注目されている. 米国では Hermansky-Pudlak 症候群に伴う肺線維症に pirfenidone を投与する試験が行われ, 比較的軽症例 (%FVC>60%) にVC悪化の遅延を認めたが, 進行例では差が見いだせなかった.
IFN-γ療法については北米・欧州で大規模臨床試験が施行され, 全体の悪化・不変・改善の割合にプラセボとの有意差が認めないものの, FVC≦60%軽症群で死亡率の低下が認められた.
本シンポジウムではこれらの臨床試験結果を踏まえて, IPFの治療戦略のあり方を提起した.

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