遺伝学雑誌
Online ISSN : 1880-5787
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CRUMPLOID, A SEX-LINKED CHARACTER OF DROSOPHILA ANANASSAE
Daigoro MORIWAKI
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1935 年 11 巻 6 号 p. 302-307

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抄録
Crumploid(cl)はアナナス猩々蠅(Drosophila ananassae)に出現した一ミュータントで, 翅に皺がある。これは伴性遺傳をする劣性であるが, その表現は modifiers の爲にかなり左右される。即ち最も表現の弱い場合は, 通常種と區別がつかないが, これが次第に皺の程度を増し, 最も強い表現は致死的に働くものと考へられる。但し雄に於ては何等かの力に依てこの表現が全般的に弱められ, その結果雄の過剩を來たし, 性比に狂ひを生ずる。尚この雌雄の表現率の間には大體に於て直線的な相關關係を認めることが出來る。cl の locus は X 染色體にあつて cut に非常に接近して居るから 91.8± と認められる。
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© The Genetics Society of Japan
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