損害保険研究
Online ISSN : 2434-060X
Print ISSN : 0287-6337
<論文>
海上保険法現代化について
—国際競争と抵触法の観点から—
吉澤 卓哉
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キーワード: 海上保険, 分割指定, 保険法
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2015 年 77 巻 1 号 p. 1-43

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抄録

 商法に規定されていた保険契約法が単行法化され,保険法が施行されたのは2010年4月である。その際に商法の海商法中の海上保険に関する規定は存置されたが,今般の運送法・海商法の現代化において改正作業を迎えている。海上保険,特に国際的な海上運送に関する船舶保険や外航貨物海上保険は,保険業法の海外直接付保規制の適用対象外とされており,国際間での競争に晒されている。また,そのため,両保険契約では準拠法の分割指定が行われている。そこで,本稿は,国際的な海上保険に焦点を当てて,国際競争と抵触法の観点から海上保険法現代化について検討を行った。その結果,海上保険法を国際標準に沿った内容にすべく,保険法中の片面的強行規定性を排除するのみならず,場合によっては保険法の規律自体の排除が必要であると考えられる。

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