損害保険研究
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<研究ノート>
「コーポレート・ガバナンスの実践」を踏まえた会社補償とD&O保険の在り方
松本 絢子
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2016 年 78 巻 1 号 p. 135-164

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抄録

 2015年7月24日,経済産業省のコーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会より,報告書「コーポレート・ガバナンスの実践~企業価値向上に向けたインセンティブと改革~」が公表された。この報告書では「法的論点に関する解釈指針」として,中長期的な企業価値向上のための適切なインセンティブ付けという観点から,取締役会の上程事項,社外取締役の役割・機能等,役員就任条件,株式報酬といった,従来明確な解釈がなされずに来た法的論点について指針を示したことで,実務界から注目を浴びている。  そこで,本稿では,その解釈指針の中でも,国内外からの優秀な人材確保という点で重要な機能を果たす役員就任条件において主要な論点として取り上げられた,会社補償と会社役員賠償責任保険(いわゆるD&O保険)に着目し,会社補償の在り方を中心に,D&O保険との関係やD&O保険に係る保険料の全額会社負担についても考察する。

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