抄録
単斜型6C tridymite(珪石レンガ,湯ケ原)と斜方型10C tridymite(石神山)の加熱変化を高温下でX線単結晶回折法と高温顕微鏡観察により検討した。珪石レンガ単斜型では室温から450℃ 間に5変態が存在し,貫井等の結果を確認した。また斜方10C型の加熱変化も貫井等の斜方5C型のそれと類似する。斜方10C型では,120～150℃ 間でO(6+I,1,1)相が室温相と共存しながら出現する。 また単斜型と斜方型の関係を調べるため,各tridymiteの加熱冷却実験を行なった。その結果,湯河原産単斜型は150℃ 以上の加熱冷却で斜方10C型に変化し,珪石レンガ単斜型は加熱急冷の場合のみ2C型に変化する。斜方型を加熱徐冷したが,単斜型への変化は観察されなかった。
