プリン・ピリミジン代謝
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筋原性高尿酸血症の発現機序に関する分子生物学的アプローチ(ヒト筋型ホスホフルクトキナーゼアイソザイムの一次構造と遺伝子構造の解析)
中島 弘山崎 知行野口 民夫嶺尾 郁夫桑島 正道河野 典夫田中 武彦垂井 清一郎
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1989 年 13 巻 1 号 p. 18-23

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抄録

筋ホスホフルクトキナーゼ(PFK)欠損症(グリコーゲン病VII型)は,筋原性高尿酸血症発見のきっかけとなった疾患の一つであり,本欠損症の解析は筋原性高尿酸血症の分子機作を明らかにする点で重要と考えられる. そこでまず筋PFKのcDNAおよび遺伝子のクローニングを通して,そのタンパク質一次構造ならびに遺伝子構造の解析を試みた.cDNAに関しては全長を解析することができた.その結果,ヒト筋PFKは,779アミノ酸残基からなる分子量約85kDのタンパク質で,家兎筋PFKとのホモロジーはアミノ酸配列で96%であることが判明した.一方,得られた遺伝子クローンは5'端のいくつかのエクソンを欠く部分クローンであったが,その塩基配列から各イントロン, エクソンの境界を決定し, 家兎遺伝子構造と比較したところ,エクソンのサイズ,イントロンとの境界などは家兎のものとよく一致しており,タンパク質一次構造だけでなく,遺伝子構造においてもホモロジーが存在することが示唆された.

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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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