2000 年 24 巻 2 号 p. 139-151
東京慈恵会医科大学附属病院人間ドックを受診した 30歳- 59歳の男性において, 高尿酸血症と他の生活習慣病との合併頻度,血清尿酸と糖代謝異常との関連, 血清尿酸と血圧の関連を検討した. その結果, 高尿酸血症は全受診者5227例のうち1162例,22.2%に認めた. 高尿酸血症症例は脂質代謝異常を始め, 多くの生活習慣病の合併を認めた. 高尿酸血症以外に生活習慣病を合併していないものは高尿酸血症症例の約20%にすぎず, 残りの約80%は他の生活習慣病の合併を認めた. また生活習慣病を数多く合併している症例ほど血清尿酸は高値であり, 高尿酸血症の頻度も高かった. 生活習慣病の集簇はインスリン抵抗性を共通の基盤としているという考えもあるため, 血清尿酸と糖代謝異常の関連について調べた結果, 耐糖能障害が出現し,空腹時血糖が上昇してくる時期には血清尿酸が上昇してくるが, 尿糖が出現すると血清尿酸が低下することが明らかとなった.