痛風と核酸代謝
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痛風発症に特発性後腹膜線維症の関与が疑われた一例
嶺尾 郁中川 智左垂井 清一郎
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2002 年 26 巻 2 号 p. 125-130

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抄録

患者は64歳男性で, 腹部CTスキャンで偶然に特発性後腹膜線維症(IRF)が見出される半年前に, 痛風発作を初発. IRFによる自覚症状はないが, 血中の可溶性インターロイキン2受容体( sIL-2R ) は4510U/mlの異常高値であった. プレドニゾロン投与にて約4週後に, 後腹膜の線維化はほぼ消退し, sIL-2Rは994U/mlへ減少した. 治療前後で尿酸代謝の各指標(平均±SD, n=4)を比較すると, 血清尿酸値(7.3±0.2vs.5.9±0.4mg/dl, P =0.0003) と24時間尿中尿酸排泄量(528±78vs.384±55mg/day, P=0.02)は, 治療後に有意に低下したが, 尿酸クリアランス(5.0±0.8vs.45±05ml/min, P=0.29)や尿酸・クレアチニンクリアランス比(5.0±0.3vs.5.0±1.0%, P=0.89)は有意差がなかった. IRFでは, 浸潤する炎症性細胞と線維芽細胞の増生に基づく核酸代謝回転の亢進やサイトカイン分泌によって痛風を招来する可能性が示唆され, 二次性痛風の原因疾患の一つとして鑑別を要すと考えられる.

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© 一般社団法人 日本痛風・核酸代謝学会
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